第73期(2024年度) 委員長 駒崎慎一 (鹿児島大)
2024年5月より第24代委員長を拝命し,伝統ある高温強度部門委員会の委員長を務めさせていただくこととなりました.幹事はじめ委員の皆様にご協力を頂きながら,本会の発展に尽くしていく所存ですので,よろしくお願いいたします. 本部門委員会は,1954年に「クリープ部門委員会」として発足しました.時代の流れとともに,クリープに限らず高温疲労など高温強度全般にわたる問題を扱うようになったことから,1959年に「高温強度部門委員会」と改め,今日に至っています.発足から現在に至るまで,我国を代表する多くの研究者・技術者を輩出し,我国のみならず世界における高温強度研究をリードするとともに,産業界の発展にも大きく寄与してきたものと確信しております. 本会は“学会活動を通じた社会貢献”を趣旨としており,産学交流の機会を提供すると共に,企業や大学における高温強度に係わる技術の伝承・習得を支援しています.本会の特徴は何といっても活発なワーキンググループ(WG)活動です.時代のニーズに合わせたWGを設置し,WG活動を通じて高温強度部門の学術的な発展,高温強度に係る技術交流・伝承がなされてきました.この伝統を継承し,かつ,発展させていくことが委員長としての責務と強く認識しています.WG活動に加え,本会の活動内容を委員の皆様に協議していただく場として部門委員会を年5回開催し,都度,その時のホットトピックスを中心とした講演会を開催しています.また,2024年で第62回目となる伝統ある『高温強度シンポジウム』に加え,近年は学生を中心とした若手研究者の研究発表会『高温強度若手シンポジウム』を開催しています.シンポジウムでは十分な発表・討論の時間を確保しているため活発で実り多き質疑応答が行われ,学術界と産業界,シニアと若手を繋ぐ重要な場となっています.加えて,高温強度に係わる技術の伝承・習得を支援するための『若手研究者および技術者のための高温強度講習会』とEBSDによる損傷評価に関する講習会をそれぞれ隔年で開催しています.さらには,3年に一度『日中高温強度シンポジウム』を中国機械学会高温強度部門と共同開催するとともに,欧州での国際会議に合わせてECCC(European Creep Collaborative Committee)との意見交換会を実施するなど,海外の研究者・技術者との交流も積極的に推進しています. 本会は,産学官の割合が比較的バランスよいメンバー構成となっていて,業種や組織の垣根もほとんどありません.また,経験豊富な先輩方から新進の若い研究者・技術者まで幅広い世代が忌憚ない議論ができる“特異な”委員会と自負しています.敷居も低く,雰囲気の良い委員会ですので,より多くの皆様が本会にご入会していただけることを期待しています.